July,2010
海のおもいで
メモ魔
アムステルダム駅の
待合カフェ
虹のふもと
すこしだけ おいしいもの
憧れのガウディ
オランダの夏の過ごし方
ふたり兄弟
野いちご摘み
空と風と雲
モンマントルの丘
AM7:31発 パリ行き
June,2010
May,2010
April,2010
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April,2009
風のさんぽ <日本発>

mailto:at_miyuu@mac.com



海のおもいで 31,July,2010 



子育てのいちばん楽しいとき、

海の近くに住んでいました。


自転車で10分も走ると松林がみえてきます。


休日には、友だちに声をかけて

きれいな砂浜にテントをはって、バーベキュー。

大人は朝から飲み放題です。


我が家のこどもたちが

みんなでワイワイごはんを食べるのがすきなのは

きっと、そんなこども時代をすごしてきたからでしょう。



広々とした大きな海に抱かれて、

ゆっくりと流れるしあわせな時間。


行きかうヨットを眺めながら

打ちよせる波の音をきいていると、

ちいさな悩みごとなどは、

どこかに吹き飛んでいってしまいました。


夕方のやわらかい光のなか、風に吹かれて

きれいな貝殻を子ども達といっしょにさがしたこと。


あの頃は夢中でわからなかったけど、

海ですごした夏の日々は、ずっと消えない宝物です。









メモ魔    28,July,2010 


「裏が白くないダイレクトメールなんてけしからん!」


ひとりごとをブツブツいいながら

メモ用紙にするための紙を探している

自分に気づいて、思わず笑ってしまいました。



買ってくれば簡単なのですが、

新聞にはさまれている広告やカレンダーを

使いやすい大きさに切って、メモ用紙にしています。


母や祖母もそうしていて、

その姿を見て育ったわたしも

いつのまにか同じことをしていました。


オランダにきてからも、裏白のメモに

使える紙! と騒いでいる私を気の毒に思ったのか

ある時から、彼が会社から

使い終わった古紙を持ってきてくれるようになりました。



部屋のあちこちに置かれたメモ用紙とペン。


思いついたことを

いつでも書き留めておけるのはうれしいことです。


わたしのメモ好きにも

ますます拍車がかかりました。


もしかしたら、

三代続くメモ魔の家系なのかもしれません。









アムステルダム駅の待合カフェ 25,July,2010 



白い 大きなオウムが

カウンターの上をゆっくりと歩いています。


細かい細工の

とてもきれいな高い天井。


ラクダの絵や中国の陶器が

オリエンタルな雰囲気を漂わせて

古い映画のなかに迷い込んだような、

アムステルダム駅の待合カフェです。


壁には 東京や北京の時刻が

示されている時計がかけられていました。



骨董品のように、

ケースにしまって飾っているのではなく、

今もかわらずたくさんの人に愛されつづけていることが

このカフェのいちばん大きな魅力です。




虹のふもと  23,July,2010 


大きな窓から

朝のひかりが射しこんでいます。


部屋の片隅にちいさな虹。



あつい夏の日、

ホースで水をまいてつくる虹や

しゃぼん玉のなかに見える虹。


高原に行った帰り道、通り雨のあと

山のふもとにかかっていた、3重の虹の橋。


子どものころ、虹のふもとにいくと

しあわせになれると誰かが教えてくれました。



それを確かめたくて、ある日の雨上がり

空にかかった虹を、自転車で追いかけたことがあります。


ふもとにたどり着く前に、虹は消えてしまいましたが、

何かをやりとげたような、ちょっと不思議な気持ちになりました。


毎日のちいさなしあわせは、

遠くにあるのではなく、すぐ近くにあることを

知ったのは、それからずいぶんたってからです。









すこしだけ おいしいもの 20,July,2010 


夕食がおわったあと

お酒をのみながらおいしいものを少しだけ

それがいつものコースです。


おなかにたまらず

お酒のつまみになるもの。


それはやっぱりチーズ。



やわらかくておいしいチーズもたくさんありますが、

オランダにきて、そのおいしさに目覚めたのはゴーダチーズです。


オールドアムステルダムという

黒く蝋引きされたゴーダチーズが今いちばんのお気に入り。


良く切れるチーズカッターで

うす〜くうす〜く切るのが、オランダのチーズの食べ方で、

我が家もそれをまねしています。


味が濃厚で深みのあるオールドアムステルダム。

うすく切ってすこしだけつまむのにはぴったりです。


今宵もワインを片手におたのしみがはじまりました。









憧れのガウディ 17,July,2010 


蝶々の羽のように

ひらいているステンドグラス。


聖堂の床におちている、やわらかな光の影。



バルセロナ郊外のちいさな村にきています。


抜けるような青空の下、

駅からつづく小道を歩いていくと、

松林のなかに、未完成の教会が見えてきました。


アントニオ・ガウディの作った、コロニア・グエル教会です。



斜めに張りめぐらされた柱や壁。


曲線を描く天井にモザイクタイルの装飾。


世界遺産になっている、この地下聖堂は

ガウディの自然への賛美がもっともよく表れているそうです。


子供のころにバルセロナ郊外の村ですごし、

道ばたの草花やちいさな生き物を愛した、ガウディ。


自然のなかに最高の形があるといった

彼のいちばんやりたかったことが

力強くシンプルに伝わってくるような空間でした。



それから、カタルーニャ鉄道に乗って

市内へもどり、向かったのは

バルセロナの街が一望できるグエル公園。


木や花、キノコ、波、など自然をモチーフにした

ガウディの魅力がいっぱい詰まっている公園です。



土色の煉瓦でできた、ななめの列柱廊。


ぐるぐる渦を巻く貝殻のような柱。


公園を歩いていると

目の前に次々と現れるのは、まわりの自然に

なんの違和感もなく溶け込んでいる、ガウディの不思議な世界。




砂糖菓子のような家やガウディが住んでいた

ピンクの家はとてもかわいらしかったです。


真夏のバルセロナ。


憧れのガウディを訪ねて

夢みるように時を過ごしています。









 オランダの夏の過ごし方 14,July,2010 



時計をみたら、PM9:30。

あたりを包みこむ、明るいオレンジ色の光


いつまでも日が暮れない、オランダの夏。



休日にはベランダにテーブルと椅子をだして

外を眺めながら、お酒を飲んだり

おしゃべりしたりしながら、ゆっくりと食事をします。


おなかが一杯になったら、散歩にでかけましょう。



遠くに出かけなくても、

近くにステキな公園がたくさんあるオランダ。


お天気がよければ

それだけで気持ちがいい、夏の一日です。









ふたり兄弟   12,July,2010 


ゆうらりゆらり、風と遊ぶ

なかよしの兄弟のような、プラタナスの実。



高校生のとき、三歳下のおとうとから

誕生日にもらった、ちいさな銀色のイヤリング。


姉の権力を行使されて、しかたなく

プレゼントしてくれたのですが、うれしかったです。


でも、さっそくつけて遊びにいったら、

すぐに、片方どこかに落としてしまいました。


それを聞いて、怒った彼。

「もう、これからは何もあげない」宣言が

そのとき発令されました!



それから、長い年月がたって、

25回目の結婚記念日に、思いがけずもらった

おとうとから私への、うれしいプレゼント。


発令はいつのまにか解除になっていたのかも♪


子供達がちいさかった頃は、

運動会や文化祭、何かあるたびに都合をつけてくれて

いつも、ビデオ係りをしてくれた彼。


小学生の頃からずっと、年上の

やさしくて頼れる兄貴にあこがれていましたが、

身近にいて何でも話せる彼を、こころ強く思っています。



この世にいのちをさずかり、

縁があって、同じ母のおなかから生まれてきた姉弟。


お互い支えあって

ずっとなかよくしていきたいです。









野いちご摘み  9,July,2010 


ルビーのように、

真っ赤に色づいた野いちごの実。


鋭いとげにひっかからないように、

一粒摘んでほおばれば

口一杯に甘酸っぱい香気が広がります。


こどもの頃、野原であそんでいて、

野いちごの白い花をみつけると、わくわくしました。


秋になって、その場所にいけば、

野いちごの赤い実に逢えるからです。



岡山の小学校時代、

木造校舎の裏庭にあったガマズミの木。

休み時間になるとすぐ、

実が赤く色づいているかどうか、友だちと見に行きました。

そして、待ちきれなくなって、まだ熟していない

すっぱい実を一緒にほおばっては、しかめた顔を笑いあっていました。


真っ赤なグミの実を

はじめて食べたときの味。


遠くからまっ黒の木に見えたのは

熟した桑の実で鈴なりになっている桑の木でした。


東京に住んでいた頃、家の近くに

たくさんあった山モモの赤い実。食べられることを

沖縄出身の友だちが教えてくれました。


実家の庭のプランターで

毎年たくさん実をつけるブルーベリー。



去年の秋、アムステル公園を散歩していると、

たかい草の茂みの前で、何かを採っている人がいます。


近寄ってみたら、

こどもの頃よくみつけた野いちごでした。


オランダで、野いちご摘みのできる場所を

みつけて、すっかりうれしくなってしまった私。


赤い実が熟した頃、

自転車にちいさな籠をつんで

もういちどその場所にいってみるつもり。


ひみつの場所がまたできました。









空と風と雲  7,July,2010 


夜明け前、

空がだんだん明るくなってきました。



小鳥たちのにぎやかなさえずり。


朝日をあびて

あけぼの色に雲が染まっています。


すこし開けた窓から

涼しい空気が流れ込んできました。


空のたかい所で吹く風に

ひこうき雲は流されて、きれいなはね雲になります。



空を見ることはすきでしたが、

オランダにきてから、もっとすきになりました。


いつか見れたらいいなぁ、と思うのは、

極地でしか見られない、七色に輝く雲。


真珠母雲。


はじめて見る人は

オーロラと見まちがうことが多いとか。


アコヤ貝の内側の色に

似ているからこの名前がついたそうです。


今日は七夕。


かささぎが橋をかけた、天の川で

織姫と彦星も1年ぶりの再会ができそうですね。









モンマントルの丘 4,July,2010 


モンマントルの丘のふもとで

時間がそこだけとまったような、

ステキなメリーゴーランドをみつけました。


お母さんに手を添えられて

ちいさな子どもが、白い木馬に乗っています。



ケーブルカーに乗って

丘の上に登ると、目の前に

美しいパリの街並みが広がりました。


遠くエッフェル塔も見えます。


天気予報で、週末のパリは

雨になっていましたが、どうやら大丈夫。


「だから、いってるでしょう?

私たちが旅行するときは、いつも晴れ!」

ちょっと自慢そうに、彼が笑っています。



夕ごはんの時間になっても、まだまだ明るいパリの空。


ホテルのフロントで

教えてもらったビストロにいくと、

シックな木の回転扉の前に、行列ができていました。


お店の中は、広々としていて、

昔からある、にぎやかなパリの食堂といった感じ。


家族連れがたくさん来ていて、とても明るい雰囲気です。


料理をのせたお皿を両手で8枚!位は

持っていそうな、ギャルソンヌに感心しながら、

おいしい夜がはじまりました。


テーブルの上には、人生の喜びが

いっぱい詰まってる、しあわせな時間がながれています。









 AM7:31発 パリ行き 2,July,2010 


W杯で盛り上がり、

オレンジに染まるオランダをあとにして、

タリス(国際鉄道列車)に乗って

パリにいくことになりました。



AM7:31、時刻ぴったりの発車です。


アムステルダムから、約3時間半の列車の旅。


すべりこむようにホームに入ってきた

タリスは、きれいなワインレッドのすっきりとした形で

車内も、同じ色で統一されています。


動き出してすぐ、カタカタと音をたてながら、

ワゴン車で朝食がはこばれてきました。


ひとくち食べてみた

クロワッサンのおいしかったこと!


いつの間にか、車窓の風景は

のどかな緑の牧草地から、赤レンガの家々が続く

ベルギーの街並みにかわっています。



おおきな椅子にゆったりと体をしずめ

ウトウトしていたら、列車はパリの北駅に到着。


さあ、メトロ(地下鉄)にのり換えて

たのしいパリの道行きのはじまりです。








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