September,2009
太陽の沈む国マラケッシュ
草もみじ
第一印象
ちょっと変わった
オランダ建築
晴れた日は外のテーブルで
アムステルケルクに
ひとめぼれ
出逢えたことに
夜明けまえのお伽の国
オランダの野鳥
August,2009
July,2009
June,2009
May,2009
April,2009
風のさんぽ <日本発>

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    太陽の沈む国 マラケッシュ 30,September,2009 



建物の中に一歩入れば、

中庭には噴水があって、水が流れる音がしてきます。

レモンやオリーブの木々が作る涼しい緑の木陰。




ここは、砂漠の入り口のオアシス。

太陽の沈む国、モロッコ。


すぐ近くに、広大な赤い大地が広がっていることを

忘れてしまいそうな マラケッシュにきています。



異国情緒あふれる長い回廊。

綺麗な細かい模様が浮き出た鉄柵。

ブーゲンビリアの花咲くプールサイド、椰子の木の影。

魔よけの意味があるという、手の形をした細工物。



オリーブの木の下のテーブルで、

ハーブの香りのする魚とおいしいフランスパンにワインで

遅めの昼食が始まりました。


テーブルの上には、赤いバラが一輪。

足元には、いつになれば魚の頭をくれるの? と言いたげに

小さな猫が数匹、さっきから小首をかしげてこちらを見上げています。



旧市街メディナは、

周りを城壁で囲まれた、赤いレンガの建物が美しい街でした。



細い路地が、迷路のように走っている街並みは、

7世紀に造られた当初のまま残っていて、散歩していると、

中世の時代に迷い込んだような不思議な感じがしてきます。



メディナの中心となっているフナ広場は、日暮れ時になると

たくさんの屋台が軒を連ね、大道芸人があちこちで芸を披露して、

そのにぎやかさは、まるで日本の縁日のよう。

時折、あふれるばかりの人の間を縫うように、

荷物を運ぶロバが通り過ぎていきます。



広場をぬけると、もうそこはスーク(市場)街。

モロッコ中から買い物に人が集まって来るこの場所は、

陶器、カーペット、皮製品など

様々な専門店がひしめき合っています。


にぎやかな客引きの声。

どこからか聴こえてくる、異国の音楽。

きれいな黒い瞳だけだして、黒布で全身を包む女の人。



色々なものが混じり合って、喧騒の世界を作り上げている

マラケッシュは、赤い街と言われているそうです。




草もみじ  26,September,2009 



今日は朝から風が強く吹いています。


プラタナスの木も大きくゆれて、

地面に落ちた葉が、風にくるくる舞っています。


落ち葉の季節になると、楽しみなのは草もみじ。



私の好きなチガヤという草は、春から夏にかけて

風にゆれて白銀に輝やく穂が、とてもきれいな野草ですが、

山々が紅葉し始めると、だんだん色づきだして、

晩秋になる頃、まっかな赤い色に染まります。



足元にある身近な雑草が、

少しずつ紅葉しはじめる季節。


散歩の途中で、

きれいに色づいた草もみじを見つけると、嬉しくなってしまいます。


9月の空。

秋の風が吹いています。




第一印象  23,September,2009 



人が出会ったとき

最初に感じた印象はとても大切だそうです。


いい感じも、悪い感じも、

たった6〜7秒の間で、その第一印象が決まるとか。
散歩の途中で、オランダの家の美しい風景に魅せられて、

思わず立ち止まってしまう瞬間は、

出会った時に恋に落ち、ドキドキするのと似ています。

赤レンガのかわいらしい家の玄関や、

各自が工夫をこらした小さな前庭など、心ときめくものばかり。



午後11時位まで明るい、オランダの夏の夜。

夕ごはんが終わってから、家の近くをお散歩するのはいつも楽しみでした。


とくに、小さなスタンドやキャンドルとともに、

花や雑貨が飾られていて、夕方になると、

やわらかい光に部屋の中が照らしだされるおおきな窓。


日本の家は、

外から中が見えないように、窓のカーテンをしめますが、

オランダはその反対の家が多いようです。


道行く人の目を意識した、様々な演出が施されたおおきな窓は、

とても魅力的で、印象に残りました。





    ちょっと変わったオランダ建築 20,September,2009 



高速道路沿いに、大きな流線型の建物が見えてきました。

陽の光をうけ銀色にキラキラ輝き、

近未来のSF映画の中にでてきそうな感じ。


オランダは建築の先進国。


「これは何?」と、うなるような

斬新で奇抜なデザインの建物が、町の至る所にあります。



壁やガラスが斜めになっていたりするのは普通で、

地震がきて建物が途中からずれてしまった? というようなもの、

建物の下に足がついていて、今にも歩きだしそうなもの、

住居部分が中から外に飛び出しているもの。


見つけた時は「わぁー!」っと、

思わず手をたたいてしまうようなオランダ建築。


カメラを片手に、

ちょっと変わった建物を探しに行くのも面白そうです。





    晴れた日は外のテーブルで 17,September,2009 



夏のおわりに<お外ごはん>にはまった彼。


すこし前までは、レストランやカフェで

お天気が良くても気温が低いのに、薄着で外のテーブルについている人達を見て、

「寒いのに何で外?」と思っていた私達。


でも、南フランスの友達の家で、開放的で、明るい日差しを浴びながら、

外で食事をする楽しみ方を教えてもらい、考え方が変わりました。


とくに、彼はすっかり気に入った様子で、家に帰ってすぐ、

ベランダ用の小さな折り畳みテーブルを、どこかで買ってきました。


週末になると、

晴れた日は外で食べるのは気持ちがいいと、すっかり定番に。



おひさまが顔を出せば、

「今日もお外ごはんかな」と、ベランダにテーブルをセッティングをしはじめる彼。

「体が5ヶ月位すると現地化してくるよ」と、教えてくれた

友達の言葉を思い出し、一人でくすっと笑ってしまいました。

雨の季節がはじまる前に、できるだけ

お日さまの光を浴びて、外でゆっくり食事を楽しもう。


気がつくと、オランダらしい週末のすごし方を覚えて、

いつの間にか、楽しんでいる私たちがそこにいました。





   アムステルケルクにひとめぼれ 13,September,2009 



おはなしのなかに出てくるような、古い教会を中心に、

赤いレンガのかわいらしい町並みが続く、

どこか懐かしい感じの風景。

教会の手前にある

ハネ橋が上がると、船が下を通って行きます。


はじめて行ったときに、ひとめで大好きになりました。

それ以来、ずっと片想いを続けている美しいお隣の町、

アムステルケルクは、家から自転車で15分位の所にあります。



ひとやすみに入ったBarでゆっくりしていると、

私たちの目の前に、頼んだ覚えのないビールが運ばれてきました。

マスターがウインクして示した先には、

「こっちにおいでよ」と、手招きをするにこやかな笑顔。


「小さい頃から、ずっとここに住んでいるから、みんな知りあいなんだ」

と、いうご夫婦からのうれしいお誘いでした。

地元のお友達も一緒にテーブルを囲んで、ビールを飲みながら話が弾みます。


楽しい時間は、あっという間にすぎて、

私はすっかりアムステルケルクの町のファンになっていました。



街中を抜けると、

すぐ見えて来るのは、オールドケルクの看板。


運河沿いの道の横には、大きな空とみどりの牧草地が広がっています。

風に吹かれてのんびりと草を食む、

牛や羊をまじかで見ながらのサイクリングはとても気持ちいいです。


ひとめぼれの町、アムステルク。

私の恋はずっと続いています。




     出逢えたことに 10,September,2009 


大きなおなべにゴマ油を少し、

細かく切った豚肉と千切りにした人参、お湯で戻したきり干し大根、

ジャーッというにぎやかな音と立ち上る匂い。

窓からさしこむ夕方の陽の光をうけた祖母の横顔。


子供の頃から、

台所で誰かがお料理する手元を見ているのが好きです。



岡山の小学校時代、毎日遊びにいっていたお隣の家。

夕方になってもまだ帰りたくなくて、

叔母さんが夕ごはんの仕度をするのを、よく横で見させてもらっていました。

台所でおしゃべりしながら、教えてもらった色々なこと。

マヨネーズが自宅で作れる事を知ったのもこの時からです。


お料理するのは楽しいことだと、叔母さんから教わりました。



それからずいぶん経って、私は結婚して二人の子供の母となり、

心がけたことは、なるべくおやつは手作りすること。

子供達が帰って来る時は、

家にいて「おかえりなさい」と声をかけること。


家族の誕生日や記念日には、ケーキを焼いてお祝いしてきましたが、

「粉とたまごと砂糖でおやつを作れるようになりたい」と、思っていた時、

ケーキの作り方を教えてくれたのは、福岡に住んでいた時に知り合った友達です。


おいしいものを作ったり、台所にいるのが好きなのは、

いままで出逢った人達のおかげ。


ありがとうの気持ちをいつもこころに・・・。

さあ、今日もこれから夕ごはんの仕度です。





    夜明けまえのお伽の国 7,September,2009 


夜明け前の空に星が一つ。

プラタナスの高い木の梢に浮かぶ、丸い木の実のシルエット。



それはまるで、宮沢賢治の

セロ弾きのゴーシュの絵本の中にある、

月明かりでゴーシュがチェロを弾いている場面のよう。



銀河鉄道の夜など宮沢賢治の本には、色々な挿絵が付いていますが、

私は、色と影のコントラストが美しい、

藤代清治の影絵のお伽の国のおはなしが一番好きでした。


あ、きれいと感じたものは、

こころの中の深い所で眠っていて、いつもは忘れていても

こうして時々、ふっとよみがえってきます。



それは、今まで大切に紡いできたものが

形になって出てきたような瞬間で、

私が、絵を描いたり、何かを作ったりする

こころの原動力に直接つながっていきます。


夜明け前のお伽の国。

物語の世界がはじまりました。





    オランダの野鳥 3,September,2009 


風車のある、アムステルパークという公園が好きです。

すこし家から遠いのですが、

晴れた日はお弁当を持って、自転車に乗って出かけていきます。


自然のまま残された、緑が一杯の運河沿いの道は、

その風景をみているだけでも、とても気持ちがいいのですが、

私のもうひとつの楽しみは、バード・ウォッチング。



オランダの人は、野鳥を大切に保護していると教えてもらいましたが、

大きな水鳥からきれいな色の小鳥まで、本当にたくさんの

色々な種類の鳥達に、道の途中で出会います。



昔から鳥を見ることが好きな私は、

まじかでいろいろな鳥を見ることができて、

とても嬉しいです。


母鳥が雛に、口うつしで餌をあたえている様子は

いつ見てもほほ笑ましく、見ていてあきません。


オランダでバード・ウォッチング。

あたらしい趣味がひとつ加わりました。




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