August,2009
夏のなごり
赤いハイネケンやさん
オレンジとブルー
じゅず玉の首飾り
ベルエポックなパリの夜
海辺の町へ
明日のために
自転車の国
雨・雨・曇り
時々晴れ・のちカミナリ
8月の鯨
July,2009
June,2009
May,2009
April,2009
風のさんぽ <日本発>

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夏のなごり  30,August,2009 



今朝、窓を開けたら、すーっと、冷たい空気が流れ込んできました。

2、3日前から、はく息が白い朝をむかえています。

まるで、子供達が小さい頃から、夏になるとよく出かけていた

松原湖高原の朝のようです。


一日の気温差があるのはわかっていましたが、

早朝と夜は長袖かコートを着用、中には皮ジャンを着ている人も。

お日様のあがる日中から夕方にかけては、半そででも大丈夫です。



陽ざしは強いけど、

日陰はひんやりとして、風はもう秋のいろです。

先日、お店で隣り合わせた人が、

あと2週間もすると雨の季節がはじまる事を教えてくれました。


今日もいいお天気です。


さあ、これから何をしましょうか?

こんな晴れた日は外に出て、あかるい夏の陽射しを楽しみたくなります。

お弁当を持って、自転車で少し遠出するのもいいですね。


青空のなか、ゆく夏を惜しむように

ひこうき雲がななめに線をえがいていきます。





赤いハイネケンやさん 26,August,2009 


家の近くに、お気に入りのお店ができました。

赤いハイネケンやさん。

いつもお店の前に赤いパラソルが出ているので、勝手にそう呼んでいます。



缶のハイネケンビールは、

これまでも飲んだ事はありますが、あまり好きな味ではありませんでした。


でも、はじめてこの店にきたとき

注文して飲んだ生のハイネケンビールのおいしさにびっくり。

「缶のビールの味とぜんぜん違うねぇ! やっぱり生だから?」

なんて、言いながら2杯目を注文していました。


ビールのお供は、定番のフライ・フリッツ。

あげたての熱々フライドポテトでおいしいのですが、塩味は付いていません。

マヨネーズやケチャップをたっぷりつけて食べるのがどうやらオランダ流のようですが、

私たちは塩とブラックペッパー派を通しています。



今日も早めの夕ご飯がおわりました。

外はまだまだ明るく「お散歩でもしようか」と、声がかかります。


そんなときは、片づけがあろうとなかろうと全部後まわし。

ヨーイ、ドンで出かける用意をします。それは、

散歩道はいつしか、赤いハイネケンやさんへの道にコースが変わり、

「ちょっと、寄っていこうか?」と、嬉しい誘いがあるから・・・。



夕ご飯が済んでから、ぶらぶら歩く夕焼け色のさんぽみち。

もうそろそろ、いつもの声がかかりそうです。




オレンジとブルー 23,August,2009 


目のさめるような、きれいなオレンジいろのネクタイをしめた人が、

駐車場に止めた車から降りてきました。



オレンジいろは、オランダを象徴する色。

毎年、春になるとやってくる、女王陛下のお誕生日の祝日は、

オランダの人びとは皆、女王陛下の色である、オレンジいろの物を身に着けます。


オレンジいろの羽のショールをふわふわさせている人や、

紙でできたオレンジいろの王冠、中には、オレンジのカツラをつける人もいて、

町中おまつりのような、とても楽しい一日です。


私がオランダにきて、印象的だった色は、もうひとつ、

KLM オランダ航空で使われているブルーです。


飛行機の機体はすっきりとした、きれいなライトブルー。

スキポール空港内では、明るい青のワンピースに、

同じ色のコートをはおった航空関係の女の人によく出会います。

私の好きな青と白の王冠のマークのデザイン。


KLMの機内で、最初に出てきた食事は、

オランダらしいチーズとハムのサンドイッチ。

オランダの町の建物やチューリップが青い色で描かれているパッケージは、

食べずに持ち帰りたくなるほど可愛らしかったです。





じゅず玉の首飾り 20,August,2009 


子どもの頃、

大切にしていた宝物の箱の中にいつも入っていた、じゅず玉の首飾り。

今でもじゅず玉をみつけると、さわってみたくてソワソワします。



東京に住んでいた時に好きだった散歩コースは、近くの荒川。

じゅず玉はなかったけど、春に野ばらの白い花がいっぱい咲く場所をみつけました。

秋風が立つまで待って、そろそろあかい実にあえるかなと楽しみにして行ってみると、

どうやら小鳥が、先に見つけて食べてしまったらしく見当たりません。

それからは、毎年小鳥と競争して、あかい実を見に出かけていました。



花の終わった後の乾いたがく。

ふわふわしたのがぜんぶ風に飛んで、残ったすすきの穂。

立ち枯れたつるのくるりとした形。

日陰のいい場所で、きれいないろを残したまま乾いたあじさいの花。

散歩の途中でみつけるとつい拾ってしまう木の実いろいろ。



そういったものが集まって作りはじめた、私いろのリースやアレンジメント。


自宅で開いていたドライフラワーのアレンジメント教室は10年以上続き、

じゅず玉を集めてつないだ首飾りのように、たくさんの人と出会いました。

そのご縁が今の私を励ましてくれています。


オランダから、たくさんの感謝の気持ちをかさねて・・・。




ベルエポックなパリの夜 17,August,2009 


フランス語で「赤い風車」という意味のムーラン・ルージュ。

私の好きなロートレックのポスターに描かれている踊り子たちの姿。

あこがれていた夜のパリのまんなか。

時間がゆっくりと流れはじめました。



ムーラン・ルージュは、19世紀に彼が描いた絵の世界そのまま、

ノスタルジックな雰囲気を残しています。


前にみたニコール・キッドマンの映画のように、

歌と踊りの華やかなショーが続き、その間に寸劇や大道芸も加わります。

そして最後は本場のフレンチカンカン。


ロートレックは、

スケッチブックを片手に毎晩ここに通いつめて、

お酒をのみながら、踊り子たちをモデルに絵を描いていたそうです。



ふたむかしまえ、パリではじめて飲んだアブサンは、

薄く緑色を帯びたきれいな色が印象的でしたが、

水をいれた瞬間に白濁したお酒をひとくち飲んで、その独特な強い香りと味にびっくり。


「一度好きになると手放せない」と、いわれているそうですが、

私もいつのまにかその一人になっていました。


私がよくするのは、アブサンのビール割り。

暑い夏にぴったりの味と香りを楽しめて気にいっています。


そして、たぶん、ロートレックがここでよく飲んでいたのも、きっと、アブサン。

1890年代にタイムスリップしたような時間のなかで、そんなことを想っていました。



あかい風車が夜空を焦がすムーラン・ルージュ。

シャンパンのグラスを傾けて、

ベルエポックなパリの夜が更けていきます。




海辺の町へ   14,August,2009 



刈り取った後のわらでできた

大きなまるいオブジェのような塊があちこちに点在しています。


「そのまんま美術館に展示したら面白い空間になりそう。

タイトルは何かな? フランスの田舎? そのまんまだねぇ・・・」

なんて、ブツブツ言いながら、ひとり喜んでいる私。


そんな車窓の風景を楽しみながら、オランダからベルギーをぬけ、

フランスのノルマンディーにいる友達の所へ遊びに来ました。



ここへ来たのは9年ぶり。

かわらない海と友達の笑顔が迎えてくれます。


小高い丘の上にある

赤いレンガでできた可愛らしいお家が、彼らの MY HOME。


庭にあるテーブルにクロスをかけて、

カモメの声をBGMに楽しい食事が始まりました。


ゆっくりと流れていく時間。

むかし話に色とりどりの花が咲きます。



いくつになっても、長い間ずっと会ってなくても、

顔を逢わせれば話がはずむ、友達はかけがえのない宝物。

もういちど、この旅が教えてくれました。





明日のために  11,August,2009 





風の強い日も、雨の日も、

いつも家の前の舗道を歩いている、訓練士とハーネスを付けた犬。


雨で滑りやすくなった道で訓練士が立ち止まると、

犬は「どうしたの?」と言いたそうな顔で振り向きます。


それを見ていて、毎日くりかえすことで

少しずつ体で覚えていくんだなァと思いました。

大事なのは、続けること。


私も毎日こころがけていることが二つあります。


ひとつめは、からだを柔らかくする朝のストレッチ。

「自分の体は自分で守る」というのは、母から教わったことですが、

以前、ホテルに収めるクリスマスデコレーションの作品を

毎日たくさん作っていた時に始めました。

それ以来、ずっと続けています。



そして、もう一つは 「Take a joy !」

イギリスでステキなお庭を造り、犬や猫、あひると一緒に

昔の暮らしそのままをずっと続けて来られた、

私の好きなターシャ・テューダーさんの言葉です。


これをいつも、何かするたびに呪文のようにブツブツ・・・。

元気なときも、そうでないときも、自分に言い続けてきました。


喜びをつかもう! 好きなことをしよう!

私に力をくれる魔法の言葉です。


毎日くりかえし、自分がこうなりたい姿をイメージして、

それに少しでも近づくように、今を生きること。


Take a joy !


オランダの空の下、今日もハーネスを付けた犬と訓練士が歩いて行きます。




自転車の国   8,August,2009 


自転車王国オランダ。

人口1600万人に対して、自転車の数は1700万台。

一人2台は持っているそうです。



長い間の干拓によって国土を広げてきたオランダは、

起伏の少ない、自転車の走りやすい地形。

そのうえ、自転車専用道路が国全体に整備されていて、

若者も、家族連れも、老人も皆、車を気にせず、気持ちよさそうにペダルを漕いでいます。


自転車は電車に持ち込むこともできます。

その形は、シンプルなものが多く、ガッシりとしていて、

ひと昔前の日本の郵便配達の自転車に似ています。

多くの自転車は、ペダルを逆に漕いでブレーキをかけるようになっていて、

ハンドブレーキは付いていません。


“自転車に乗って生まれてくる”とオランダの人は言われているそうです。

両手放しは普通で、足でペダルを漕ぎながら腕組みをして、

平然と走っていく姿にはちょっと憧れました。



木の荷台が自転車の前部に付いていて、

そこに、小さい子どもを2、3人のせて走っている人もいます。


アムステルダムの中華街に遊びに行ったとき、

初めて見たのは、ビール自転車!


カウンターの周りのスツールに、ペダルが付いていて、

ビールを飲みながらみんなで漕いで、

カウンターごと移動するというゆかいな自転車です。


漕いでいる人が、みんな酔っぱらっているらしく、

ワーワー騒ぎながら、にぎやかに路地の向こうからやって来た、ビール自転車。

とても楽しげで、見ているこちらまで笑顔になりました。




雨・雨・曇り・ときどき晴れ・のちカミナリ 5,August,2009 



青空が見えて明るくなったのが、4分前。

また風が強くなり、だんだん暗くなって来ました。

遠くでカミナリの音がしています。


バケツをひっくり返したような雨が降ってきたと、

窓の外を見ていたら、すぐに小降りに。

目の前の駐車場の、向こう半分はパラパラと降っていて、

こちら側の半分はもうやんでいます。



雨雲は風に流されて、その切れ間から青空が見え始めました。

雨にぬれたプラタナスの緑に、陽の光があたってきれいです。


でも、それもつかの間。

みるみる暗くなった空から、また大粒の雨が落ちて来ました。


くるくる変わる、オランダの今日の天気です。

これは、きっと、上空で吹いているきまぐれな強い風が、

雨の雲を連れてきたり、吹き飛ばしたりしているせい。



降ったり晴れたりする雨の日の外出は、傘よりもフード付きの服が便利です。

どうして、オランダの人は、フードをかぶっただけで、雨の中を歩いている人が多いのかな?

と、思っていましたが、その理由がだんだんわかってきました。


さあ、雨がやみました。

きまぐれな風がもうすこしの間、雨雲を吹き飛ばしてくれる事を祈って、

私もフード付きのコートを着て出かけましょう。




8月の鯨    2,August,2009 



娘が成人をむかえて、1年位たった頃、

月に1回、ふたりで(ときどき、息子も参加したり、スポンサー・主人が付いて、

豪華な食事になったりしましたが)夜のデートをするようになりました。


年頃になった娘は友達と過ごす時間が増えて、

家でゆっくり話をする機会が少なくなり、

それなら、私の方から出かけて行こうかな、と思いついたのがきっかけですが、

ずっと子供と一緒に夜をすごしてきて、その子供達も大きくなった事だし、

そろそろ私も、夜遊び復活してもいい年頃かも・・・と、思ったのです。



ある晩、渋谷で待ち合わせをして、夕飯を食べながらおしゃべりを楽しみました。

その帰り道、目に飛び込んできたのは、「8月の鯨」というBarの看板。


私の理想のおばあちゃまを、90歳になる

リリアン・ギッシュが演じている大好きな映画の題名です。


思わず娘を誘って、その店に続く階段を降りていました。


その店で、映画をイメージして作ってもらったたカクテルを飲みながら、

カウンターで過ごした、娘とのひととき。


いつか、おばあちゃんになった時、

もう一度訪ねてみたいと思っています。そして、その時にまた、

アイボリーに緑色を一滴落としたようなあわい色合いの、すっきりとした味のカクテル、

「8月の鯨」を頼みましょう。




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