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お正月さん |
30,December,2009 |
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やさしい呼び名のお正月さん。
祖母は新しい年のことを、
お正月さんがくるといっていました。
年末恒例だった大掃除は、いつも最後は玄関口。
「お正月さんがくるから、きれいにしないとね」
そういって、新年をむかえる花を飾り
一年の無事を祝う、お年とりの夜がはじまります。
テーブル一杯に並んだごちそうの中、
東北の晴れの日の食卓をいつも飾っていたのは、
年とり魚のナメタガレイの煮付けと茶碗蒸し。
それから、にぎやかに祝いの食事はすすんで
テレビで紅白歌合戦がはじまる頃、
祖母と一緒に年越しそばの用意をしていました。
年月がたって、住む場所がちがっても、
あたらしい家族がふえて
お重につめるおせちのメニューが洋風になっても、
こどもの頃におしえてもらった
お正月さんをむかえるこころはかわりません。
暮らしのなかで紡いでいく、美しい日本の文化。
くりかえしくりかえし、
これからもずっとたいせつにしていきたいものです。
そうして、こども達のこころのなかに
お正月さんのやさしい響きといっしょに根付いて
受け継がれていけばいいなぁと思います。
来年もどうぞよい年になりますように。
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ドイツのおいしい夜 |
27,December,2009 |
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あさ8時
教会の鐘の音がきこえてきました。
ドイツのデュッセルドルフに来ています。
私の今回のおめあては、
「酸っぱいキャベツ」のザワークラウト。
それに使われている
キャラウェイシードというハーブは、恋人を引きよせる魔力があるとか。
このドイツ料理に欠かせないキャベツの漬物を
ぜひ本場で食べてみたいと前から思っていたのです。
地元の人でにぎわうレストランは
ちょっとドイツ版居酒屋といった趣です。
まずは、小さめのグラスに入ったドイツビールで乾杯。
すこし苦みはありますが、飲みやすくておいしい
そのビールの入ったグラスをたくさんお盆にのせて、
からだの大きいウェイターがテーブルの間をまわっています。
すると、お客さんから次々と声がかかり
お盆はみるみる空になっていきました。
そんなお店の様子をおもしろがっているうちに
とろとろにやわらかいマッシュポテトと
あたたかいザワークラウト、
骨つき豚のグリルとソーセージの盛り合わせが運ばれてきました。
どの料理も琥珀色のドイツビールとぴったり。
ドイツのおいしい夜。
とくにザワークラウトは
すっぱい物のすきな私にはとても満足する味でした。
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Happy Merry Cristmass ! |
25,December,2009 |
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毎年、12月のはじめにツリーを飾り
クリスマスリースを玄関にかけます。
クリスマスを迎える準備は、とても楽しくて、
あっという間に時間がすぎていきます。
12月24日は教会へ行き、翌日は家族でお祝い。
いつもかわらない
おだやかでうれしいクリスマス。
でも、子どもたちが大きくなった数年前から
こんなふうに、親子ですごしていたら
親離れも子離れもできなくなっちぁうかなぁ? と、すこし心配していました。
私たち夫婦がオランダに来たことは、
逆に、親子の関係を見つめ直すには
ちょうどいいタイミングだったかもしれません。
オランダと日本、遠く離れても、
のびのびと元気でやっている子どもたちの様子は、
頭ではわかっていましたが、大人に近づいた子どもと親は、
ある程度の距離を置くのがいいと改めて気づかせてくれます。
前に読んだ本の中に、
親子は、いつもは水が流れるようにサラっとしていて、
何か助けが必要になったときに、
真綿でふわふわくるんだように守ってあげる
そんな関係が理想的だと書いてありました。
これからはそれをめざしていこうと思います。
Happy Merry Christmass !
オランダの空の下から
たのしいクリスマスになりますように。
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ふたつの祝日 |
23,December,2009 |
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「クリスマスと日本のお正月、まぜるのだけはやめようね」
クリスマスがおわっても
ずっとツリーは飾ったまま新年を迎えるヨーロッパです。
お祝い事や記念日がむかしから大好きな私は
こちらでも、クリスマスもお正月も二つともしたくて
ちょっと困って相談したときの彼のこたえがそうでした。
玄関のリースは
クリスマスからお正月のお飾りに代えたいし、
初春を飾る、匂い水仙の花もはずせません。
お正月をゆっくりするために
毎年多めに作るおせち料理はいいとしても、
リビングに入ったとたん
圧倒的な存在感を放つクリスマスツリーはどうしましょう?
ふたつの祝日にはさまれて、
うれしい悩みの真っ最中です。
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初 雪 |
20,December,2009 |
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オランダに初雪がふりました。
プラタナスの木々もうっすらと雪化粧。
風にゆらゆら揺れる木の実も
きょうはかわいい綿帽子をかぶっています。
トラムにのって出かけた
ゴッホ美術館では、museum cafeのおおきな窓から
一面真っ白な芝生のうえで雪合戦をしてあそぶ、
たのしそうなこどもたちの姿がみえました。
赤レンガの家々に白い雪。
ちいさな運河も凍った、粉雪舞う牧場では
青いコートをきた馬が一頭、草を食んでいました。
はじめて見るオランダの
うつくしい雪景色のなかにいます。
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ちいさな屋外スケートリンク |
18,December,2009 |
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移動遊園地がきたり、
こどもたちのサッカー場になったりと
おおいそがしのセントラム広場。
今度はちいさな屋外スケートリンクが登場しました。
きのうまで噴水のあった場所が、氷のリンクに早がわり。
きっと設置されるのを
楽しみに待っていたのでしょう。
こどもたちが歓声をあげてあそんでいます。
オランダでは毎年冬になると
あちらこちらにこうした屋外スケートリンクができて
みんなスケートを楽しんでいるそうです。
はしゃいだり、すべってころんだり、
うれしそうなこどもたちの様子をみていたら
こちらまで笑顔になりました。
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とっぴんぱらりと、ぷう |
15,December,2009 |
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とんとん、10年ひとむかし。
おとなはそんなにかわらない。
だけど、髪をポニーテールにして
外をげんきに走りまわっていた
かわいい少女だったあなたと
思いもしなかったオランダで、うれしい再会。
おとぎ話の中にでてくる
うらしま太郎が、玉手箱をあけるときのような
ちょっとドキドキしたきもちです。
松林のきれいな海で
いっしょにあそんだこと、おぼえているかな?
カレンダーにまるをつけたその日はもうすぐ。
とってもたのしみです。
このおはなしのつづきはまたこんど。
とっぴんぱらりと、ぷう。
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うれしい一日 |
13,December,2009 |
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いつもよくいくスーパーの前で
アザレア色のきれいなキャスケットをかぶった
女の人に声をかけられました。
年格好は私とおなじ位で
にこやかな笑顔がとてもフレンドリーな感じ。
オランダ語で話しかけてくれたのですが、
それでは何も分からないので
英語に変えてもらい(それでもまだよくわかりませんが)
自転車に乗ったままで立ち話がはじまりました。
帽子好きの彼女は、
私がかぶっていたイエローグリーンの帽子を
とても気に入って、声をかけてくれた様子。
それからは、同じ帽子好き同士で
お互いのかぶっている帽子の話をしながら、話がはずみ、
にこやかな笑顔で「Bye!」とあいさつをして別れたあと、
家にかえってから、じわじわと喜びがこみあげて来ました。
オランダで、はじめて会った人と
スーパーの前で立ち話なんてスゴイ!
半年前の私にはちょっと考えられません。
きょうはうれしい一日。
あしたもこのラッキーな帽子かぶっていきましょう。
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もみの木 |
10,December,2009 |
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よく晴れてぽかぽかあたたかい日に
家の近くをさんぽしていたら、
もみの木があかい実をたくさんつけていました。
もうすこしでヨーロッパにきて
はじめてのクリスマスがやってきます。
今年のツリーは本物の木にしたくて、
先週末、もみの木を買いにいってきました。
園芸やさんのなかでは、このシーズン、
ネットに入ったもみ木コーナーが設けられていて
たくさんの人でにぎわっています。
その様子はまるで
日本のお正月用品を買出しにいくときみたいです。
そこで感心したのは
男性はもちろんですが、年配の女性でも
重いもみの木をひょいと持ち上げて運んでいたこと。
オランダの人は体が大きいので
みんなちからもちなのかもしれません。
もって帰るのがけっこうたいへんでしたが、
いま、リビングはもみの木のいい香りがしていて
これからツリーの飾りつけをするところです。
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春待月 |
8,December,2009 |
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12月は春待月。
春はまだまだ遠そうなオランダですが、
日中は晴れて、いいお天気の日がつづいています。
きょうは偏西風がつよく吹いていて、
プラタナスの木が大きく揺れて、
小枝のさきの丸い実も
いっしょににゆらゆら揺れています。
駐車場に止まった車から、
一組の老夫婦がおりてきました。
おばあさんは大きな花束を手にしていて、
後からきたおじいさんが持ってあげています。
オランダでは、普段着の姿で、
さりげなく花束を抱えている男性によく会います。
日本ではあまりない
そんなシーンを見かけるたびに、こころときめいています。
ひとしきりプラタナスを揺らして遊んだ風は、
またどこかにいってしまった様子。
青空が見え始めました。
近くのプラタナスの小枝に
頭が黒くて、おなかのあたりが薄いきみどりいろの
かわいい小鳥がとまり、いい声で鳴いています。
なんだか、やさしい春色の
花束をさがしにいきたくなりました。
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世界でいちばん早いクリスマスプレゼント |
5,December,2009 |
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世界でいちばん早い
クリスマスプレゼントがもらえるオランダの子ども達。
その日は12月5日。
サンタクロースの由来となった
聖ニコラス(シンタクロース)の降誕祭です。
シンタクロースはスペインに住んでいて
11月の半ば、こどもたちの一年間のおこないが書いてある
おおきな赤い本とお供でたくさんのズワルト・ビート(黒い顔の助手)と一緒に
蒸気船でオランダにやってきます。
顔をまっ黒に塗って、大道芸人のような
衣装を身に着けた、ズワルト・ビートを最初にみたときは
オランダのサンタさんはもしかして黒人? とびっくりしましたが、
すぐにまちがっていることがわかりました。
ズワルト・ビートはいい子にはお菓子をくれて、
悪い子はズタ袋に入れてスペインへ連れて行ってしまうそうで、
そういう怖いところは、
ちょっと日本の秋田のなまはげに似ていますね。
白馬に乗ってやってくるシンタクロースが
暖をとっている間に、馬たちが食べられるように
靴の中ににんじんを入れて、暖炉の側や玄関に置いておくそうです。
そうやって迎えた当日、こどもたちは
シンタクロースから、楽しみにしていたプレゼントをもらい、
家族でお祝いをしてすごします。
次の日から、街はクリスマスモード一色になり、
イエスキリストの生誕日には
教会にいって静かに過ごすというのが
オランダ流のクリスマスの過ごし方のようです。
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Mooi! |
1,December,2009 |
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娘に、あたらしい家族ができました。
お相手は猪年うまれのやさしそうなひと。
そのお父様と主人も、
ひとまわり違うおなじ干支で、
私の母もいれると、猪が4人そろいました。
牛年うまれの私の苦手は、
何人かのひとと、同時に会話をすること。
頭の中はどんどん先へ行くのに、
ことばが後からついていってくれません。
かえすことばを考えているうちに
話題がかわってしまったり、30分位してから、
「あー!あの時こういえばよかった」と、思いついたり。
よく失敗するのは、牛年うまれだからかも? なんて
いつも勝手に干支のせいにしています。
さて、4人になった猪を加えて
これから先どんなことがあるのでしょう。
なんだかとってもたのしみです。
「 Mooi!(モーイ)」はオランダ語で「すてき!」ということ。
海の近くの町で
あたらしいスタートをきった娘の人生に
たくさんのMooi!が待っていますように。
いちばん大切なことは、
ふたりがこれからずっと、なかよくしあわせに暮らしてゆくこと。
それだけをこころから願い、見守っていこうと思います。
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