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 風の散歩 2008年7月 


初夏の蓼科で数日すごし、

その後、仙台へといってきました。


けやきの大きな木が道の両側からはりだし、

緑のトンネルを作っています。

小雨が降ったり晴れたりして、水たまりにいくつも小さな輪を作ってい ます。

東京ではもうすっかり咲きおえてしまった

くちなしの花が甘い香りをはなっていました。



昔、 祖父の家では毎年この季節、くちなしの花が咲いていて

小さい頃から私はこの花の香りが大好きでした。

水たまりにうつった、

傘をさして花の香りを嗅ぐ私と、

隣りに立つ祖母、

短い会話のやりとり。

この花の香りを嗅ぐと、

ふっとそんな情景がよみがえります。




今の私はあの頃の私とずっとつながっていて、

私の幸せの道はそこにあるのですよと、

花の香りが教えてくれるようです。

静かに包まれて守られているような暖かい気持ちになります。

その気持ちがそのまま

くちなしの花のよい香りにつながっていきます。


雨が上がりました。

きのうの私が作った今の私。

明日の私も笑顔でいられますように。


きんいろの空、

甘い香りに包まれた

ゆうぐれの始まりです。